先日システムサファリではTCDアワード2020での受賞に合わせ、株式会社マレントの代表(藤田CEO)とのインタビューを行いました。
マレントでは、システムパッケージのオンプレミス販売で急成長を成している、トッププラットフォームセラー、その中でどのように日々マレントでは経営戦略や思想を考えているのかを聞かせていただきました。
システムサファリ × マレント インタビュー(全文)
まず、御社サービスの特徴から教えてください
(マレント)弊社製品は、CtoCサイトの構築から動画配信など、いまとても必要とされているシステムの基盤となるECパッケージを販売しています。特に、導入費用がオンプレミスかつ格段に他社より安く、パッケージなのでデモサイトでイメージが確認でき、決済連携やマスタ項目の調整、複雑なロジックなどのカスタマイズも別途つけることが可能なところも強みです。
つまりは、一貫して制作をお任せできるわけですね?
(マレント)はい、そうなります。
他にも、システム関連領域であればどのようなことでもお応えしています。
かなり忙しそうですね(笑)
(マレント)おかげさまで、導入数やお問い合わせは技術営業部でコールセンターを構えるまでになっています。
継続ご依頼件数がかなり占めており、新規のお客様も案件によりお受けしております。
もちろんパッケージだけのご購入も大歓迎です。
基本的には、制作会社様がパッケージだけ買われてあとは自社でカスタマイズされるか、マレントに丸投げの二極です。
当初立ち上げ時は、それまでのチーム構成を前の会社で組んでいましたが
チームがごっそり抜ける形で独立となっていました。そして、2020年より私が代表となり現在にいたります。
詳細をありがとうございます。
具体的にはどういったシステムをつくられているのでしょうか?
(マレント)色々と作っています(笑)
一般的なフリマサイトであったり、動画配信サイトもあります。今年一番はライブ配信のサイトの制作依頼が多かったです。
過去実績で見せれる範囲など色々ありますが、CMでよくみる企業様、大企業様、バックボーンでは結構弊社製品を使われていたりなどします。
オリジナルでフルスクラッチでつくる贅沢な方法は今風ではありませんので、ささっとリリースができるように、しかも格安でこれが弊社の最大のご導入いただく要因となっています。
制作業務ではその業種の特徴を捉えなければいけません。
CtoC型の動画配信であれば管理画面や配信者の間でしばしばテイクダウンツールというものが存在します。
このテイクダウンツールというのも存在は特定の業種しか知らないのでなかなか聞いたことがないと思います。
簡単にいうと、YouTubeなどで違法アップロードなどされていた場合、いちいち運営側に通報しなくても(アメリカの場合はDMCA)その削除権限を著作権を持っているユーザーに与えることができるのです。
す、すごくニッチ…ですね、やはり高いですか?
はい、ニッチな細かい部分も熟知していなければなりません。
いざ運用してみると色々な機能があればいいな、こんなのどうだろ、そう言ったニーズが次々とでてきます。
他社サービスでもシステム特有の知られていない機能などがそのサービスの数だけあります。
それらは、システムを通してサービスを円滑にさせるべく必要な仕様であり、かならずすべての機能に目的があります。
それらを先取りしてご提案するのが我々の仕事の一つでもあります。
もちろん実践的に使えるとなるとそれ相応の金額になります。
都心での CtoCプラットフォームを真面目につくる場合、1000万円はミニマムでとるとおもいます。
弊社では、実践で即使える製品を販売しており、PHPでカスタマイズを自社や他社でもリソースを使ってだれでも発展させていけるシステムをと思いオンプレミスでの販売をしています。
マレントが安い本当の理由
オンプレミスでの価格としてはかなり安いと思いますが…
(マレント)安いです、はっきり言って本当に格安だとおもいます。
しかし、実際にこの金額をベースにしてサービスを立ち上げて成功するかどうかは、クラアントさんにかかっています。
広告費やそのほか資金や顧客が十分にある、そう言ったケースもあります。
これらがあるに越したことはないですが、なかなかそう恵まれていないなかで、新規事業を立ち上げて旗揚げしたい企業様や個人様がおられます。
そうした方たちにも是非マレント製品を使って、成しえていただきたい、そういう気持ちで日々お客様と制作業務にあたっています。
初めてのウェブでサービスをされる方もある程度の基盤を固めたいはずです。
そう言った部分も全力で支援させていただき、長く続くサービスをつくっていきます。
なぜ、このような価格帯が実現できるのでしょうか?
(マレント)弊社ではカスタマイズをする度に工数管理していますので、その案件の仕様毎に
すでにあるソースコードを使って最短の工期で実装を完了させます。こうすることで、費用もより抑えられ工期も短納期ですませることができるのです。
要は、既存ソースコードを使っての工数短縮です。
どういったクライアントが成果を上げているのか?
なるほどですね、それでは業務上で、何が一番難しいですか?
一番難しい仕事とはマレントさんではどのような業務になりますか?
(マレント)これは…非常に難しい質問です。
何をもっての難しいかになります。
まず、製造の工程では基本的にはうちではお断りすることはほとんどありません。
ウェブブラウザで実現できる範囲であれば、ほとんど大丈夫です。
そして、業務での「なにが難しいか?」と言われれば、お客様の目標が「何になるのか」でその成果物が変わってきます。
例えば、新規サービスを純粋に立ち上げて売り上げアップを図り徐々にメイン事業へと成長させるというのが多いです。
しかし、長年やっていてすべてのお客様がそういう理由で立ち上げるのではないことに気づかされました。
もっといっぱいサービスを立てて自社を大きく見せたいという要望だったり、新規顧客を集めて顧客データを調査したいなど、サービスを立ち上げて売り上げを上げるためというケースではないこともよくあります。横展開で付帯サービスとして導入したい場合、ご予算ギリギリでも入れたい場合、色々なケースでのご提案をさせていただきました。
この中で、弊社では最終着地目標を定めて、それらに向けての戦略から練っていきます。
それは、ウェブサービス業界でのトレンドであったり、昔からある手法であったりと色々を駆使してご提案させていただいております。
しかし、根底にあるのはやはり自社の利益向上でしょう。
この利益向上が時として、間違った方向に進む時があります。
間違った方向というのは?どういうことですか?
(マレント)はい、間違った方向のよくある例は、
クライアント様が求める理想像となるシステムを追求しすぎてしまい、全く明後日の方向な結果になってしまうことです。
例えば、デザインです。
確かにデザインはUI/UX共々重要です。
しかし、良いデザインと売れるデザインは全く違うということです。
メルカリのようなサービスを展開したい。
こう言った要望はもう数多くお問い合わせをいただきました。
しかし、オリジナルのデザインでメルカリのようなシステムに被せたいという話になり、そこからどんどんとその案件は真逆の方向に向かいます。
マレント側ではトレンドや根拠のあるデザイン性などは、あえてアドバイスさせていただきますが、それを蹴られてしまう場合もあります。
結果、出来上がったものは美術品のようなアーティスティックなフリマサイトに仕上がりましたが、案の定メルカリになれている方からすると「このデザインはなに?とっつきにくい」というイメージを持たせ、結局はサービス開始後もうまく走り出すことができなかったというケースです。
通常では、今うまくいっているウェブサービスを参考にしつつ、それをベースに若干オリジナル要素を加えて他社と差別化を図る方法が常です。
あまりにも市場で受け入れられない大きく剥離した唯一無二のウェブサービスにするのは、かえって損失になります。
この微調整も弊社デザイナーやエンジニアが担当し、ちょうど良い具合に調整します。
反対に、マレントの素のパッケージデザインを使いながらもうまくマレントの特徴や機能を使いながら、とてつもない利益を毎月挙げられているお客様もおられます。
マレントでは、というより私が掲げていることですが、ミニマムからビッグにしていくことを十分に推奨しています。
ですので、はじめから予算はこれくらいあるといわれても、過去概算から算出して大体これくらいの金額になるとご予算に関係なくありのままの金額(低価格)をご提示させていただいています。
大きい会社から個人の方まで、まったく足元を見ないお見積もり算出をおこなっているからこそ、みなさんに毎回使っていただいている要因と自負しております。
マレントの方向性とは
足元をみないですか?(笑)
(マレント)はい、笑い事ではないです。
よくシステム会社にも大手企業だから吹っかけてやろうだとか、いろんな考え方の方がおられますが、私はそういうのは好きではありません。
また、今のご時世べらぼうに高い金額を一つのプロジェクトで注ぎ込むことも珍しいと思います。
年間や数年スパンでかかった費用が数千万円というのはよく聞きますが、うまくいかない場合は早ければ一年後には撤退する場合もあります。
新規事業を立ち上げるリーダーの方はとてつもない心労を抱えておられる場合も多いので、工数をまとめてサービスすることもあります。
それだけ弊社ではすでに色々とソースコードがあるので、使えるものはどんどん引っ張り出して成果を上げてお互いを高めなければお仕事として成り立ちません。
本当にためになります、というかここまで考えておられたとは思いませんでした。
かなり深く、興味深いです。
(マレント)めちゃくちゃかっこいいことばっかり今日は言ってしまっていますが、本音で今日はすべて言っていますので!(笑)
オープンに色々なお客様を相手にしているので、気が合う企業さん、そうでない企業さん、様々です。
うちでは、最初から一つ一つに対して本音からいうように営業部にも言っています。
その方が返って後々トラブルになりにくいですから。
本音ベースでお客様と向き合わないと、かならずボロがでます。
なんでもイエスマンの営業対応は絶対ダメです、というかクライアントに対して失礼です。
特に、システム制作は途中からクライアント様とVSの関係になりがちで、結局案件の最後に「ありがとう」のひとつも言われぬまま使い捨てされることもしばしばです。
マレントでは、お互い対等な立場に立ってお仕事ができる企業様と毎回お取引しています。
そして、お互い出し合えるものを出してその上で結果がどうだったか、ということだと思っています。
本当に売れるサービスというのは「果てしなく」そして、「地道で泥臭い」のです。
最初から予算豊富で広告費バンバンだせるのであればそれに越したことはなく、私たちもなんのアドバイスもなしで楽でいいと思います。
しかし、それをせずにいかに賢くのし上がらせるか、これにつきます。
そのノウハウも成功事例からマレントでは掴んでいます、是非これもこじ開けて存分に利用してください。
結局のところ、これはこうこうで、これこれで、結果この金額です。
あとはどうされますか?これでYESかNOかとなるわけですね。
これをNOとか、予算が…、少し検討しますというのであれば、もう新規事業としてはやらない方がいいと思います。
これは耳が痛いですね… なぜですか?
(マレント)マレントの予算感はまじめにつくって他社の1/3ほどの費用に抑えれるのが売りです。
ですので、より安く買い叩いてなんぼという会社さんはうちには向いていないと思います。
クラウドワークスとかで個人のエンジニアさんとかに依頼する以外では、しっかりとしたものが出てくるということからすればうちが最安値です。
これがマレントがシステムの卸屋といわれている所以です。
メルカリと同じシステムを入れて頂戴といわれても、まずどれくらいの規模の顧客がアクセスを見込まれるのですか?というところから始まって色々決まるわけですね。
アクセスが数人しか見込まない場合などはレンタルサーバーでも問題ないと思います。
うまくいった場合、あとからより性能のいいサーバーに移行しましょう、というご提案になります。
こうやってそれぞれのお客様に合わせた最も良いかたちでローンチさせていきます。
果たして、そんな大きいシステムをつくってどうするのか?
その機能は本当に今必要か?
悪徳なシステム開発であればお金に目が眩んで、あれもこれも必要ですよと唆されるかもしれません。
他社でこんなこときいたんだけど…と言われたりしますが、それは今の段階では導入しなくてもいいと思いますというケースもよくあります。
なので、繰り返しになりますが「なにがこの案件では重要なのか」という着地点をきめてからのお話が始まり、それに向けてロードマップを書いていくわけです。
確かに本当にそうだと思います。
話は変わりますが、以前は何をされていたのですか?
(マレント)前も今もずっとシステム周りのお仕事のみです。
多少、教員免許なども取得したりと少し別の分野も勉強していましたが、この業界に戻っていますね。
教員志望だったのですか?
(マレント)色々と悩んでいました。
しかし、できるところまでいくという決心でこっちで(システム開発で)今年、代表取締についています。
ですのでまだまだこの業界でやっていきますよということです(笑)
今日のインタビューの中でも、なにか学校の先生を思わせるところがあります(笑)
(マレント)本当ですか!?(笑)
そんなつもりではなかったんですが…
今日は本当にありがとうございました、また近々インタビューできればと思います。
(マレント)はい、本当にありがとうございます。
ぜひぜひ、これに懲りず色々とお願いいたします。
株式会社マレント
CtoC型のシステムパッケージを軸としフリマサイトや動画配信、ライブ配信サイト、アプリ開発などシステム全般の業務を事業範囲としている。導入実績は500社以上、「良いものを安く、背伸びしない」を軸に大手企業から個人までの案件を担当している。
公式HP:https://mallento.com